ホープリル。新たなる旅立ち。





2002/10/26(土) 21:30:21 コーディル
タイトル 帰りましょう  

光の下へと飛び出ると、そこにはなだらかな草原が広がっていた。

ドぉオォオン・・・・

鈍い音と共に、出てきた穴から土煙が上がる。
やれやれ・・・絶好の薬草採取場所だったのに・・・勿体無い。

「あ〜あ・・・潰れてもうた・・・」
……流石ニ持タナカッタミタイダネ〜……
のほほんとノフルが崩れた穴を見て言った。

「まったく・・・調子に乗るからだ。馬鹿」
「ば、バカ〜〜?!」
凛耶の言葉にルナさんがわなわなと拳を震わす。
「何?出雲とは飽き足らず、今度は凛耶と喧嘩?」
冷めた口調で言う小春さん。

どうやらお二人ともちょっとお怒りのようですねぇ。
ま、分からなくも無いですが。

「さて、薬草も手に入れましたし、さっさと戻りましょう。レイジェンさん」
「・・・なんだ?」
相変わらずの無表情を向けた彼に、取ってきた薬草を半分渡す。
それを受け取り、レイジェンさんは小袋へとしまった。
私もしっかり懐へしまうと、歩き出す。

「さっきの言葉訂正しなさいよ!!」
……ソウダゾ!ソウダゾ!!……
「ま、ほんとの事やもんな」
「なんですって〜〜!?」
「なんや!やるんか!?」
「・・・阿呆らし」
「二人はほっといて、行きましょ」
「え、あの?でも・・・」
「いいんですか〜?!みなさん〜〜」

相変わらず騒々しい。
口げんかを始めたルナさんに出雲。
もう、無視を決め込んだ凛耶に小春さん。
どうしたものかお互いに顔を見合わせる未凪さんにメリルさん。

「・・・少しは成長したかと思えば・・・」
呆れた様に言ったレイジェンさんに俺は苦笑する。
「成長、ね・・・そういう言葉もありましたか」
でも、彼等を見ているとそんな言葉を忘れてしまいますが・・・

「みなさ〜ん。行きますよ〜。ここに残りたい人はどうぞ遠慮なく残って下さいね」
どこぞの学校の引率になった気分で、後ろのメンバーに声をかけた。





2002/10/26(土) 22:47:40 三嶋 出雲
タイトル 船に乗って 今日の気分 風邪地獄より帰ってきた…

港でレイジェンと別れを告げ俺等は港で小船を借りた。


なんでも船を出せない理由はこの港の男は大体‘何者かに破壊された’ホタルの古井戸の調査等のために借り出されたらしい。
それを聞いた時、俺等はそれ以上船長に取り合うことができなかった。

「まぁ有名なところでしたからねぇ」

船長が見えなくなったところで誰に言うでもなくコールがつぶやくと、ルナは気まずそうに空笑いするだけだった。ちなみにその後「アホ」とつぶやいた俺とルナの痴話げんかが始まったのは言うまでもない。



「こないな船で手こぎでいくんか?」
船を出す準備をしているコールに俺は恐る恐る聞く。
「いいえ。ちょっとあなたとルナさんが痴話喧嘩している間に、ソフィさんと話して風の力を借りることになったんですよ」
微妙にとげのあるコールの言いように顔を顰めるが、彼は全く気にせず凛耶に指示をする。
「あなたもボサっとしてないで凛耶と帆を張って下さい」
目を合わせず言うコール、確かにぼさっと立ってるわけにもいかず俺はしぶしぶと帆を張る準備を手伝った。

帆を張り終えるとちょうど買出しに行っていた女性陣が帰ってくる。
「たっだいまーv」
「包帯とか他のものもなんとか揃いました」
メリルがそう言って荷物持ち上げるのを確認すると「じゃぁそのまま運んで下さい」っとコールは彼女等に道を開け、全員が船に乗り込んだ。
「それじゃぁ出ましょうか」
コールがそう言うとソフィが舞い上がり帆に風を送る。
船は段々とスピードを上げ、水の精霊たちの居る所へと向かう。







2002/10/28(月) 03:26:58 立木 小春
タイトル 陸  


闇を抜けて草原へ出た直後、古井戸が
大きな音を立てて崩れ落ちた。土煙が上がる。

あ〜… という様な表情で見遣るコールが居た。


早速船で陸を離れる準備を進める。村人達は、崩れ落ちた
古井戸の調査に向かい、人口密度の低いこの村が
一層寂れて見えた。


船を動かすには、原動力が必要だった。手漕ぎで向こうの
大陸へ向かうには、きっと1日は掛るだろう。
そこでソフィの力が必要となったのだ。勿論、と承諾した
彼女は、船の帆へ、勢い良く風を吹き付ける。

まるで風に乗る様に、船は海を漂っていた。



船の上、数分経つと、先に大陸が見えた。船内でも、
出雲君とルナは静かに痴話喧嘩をしていたが・・・
先程あった事で、少々周りを気にして居るのでしょうけど。
気にして小声で喧嘩をするくらいなら、事が済んだ後にでも
存分に喧嘩をして貰いたい位だわ、と、心の内で思った。



陸に上がって、先ず、この薬草を如何するか、という話が
持ち上がった。今あるこの薬草を、"薬"に出来るのは・・・
やはり、メリルしか居ない。


「この薬草を、煎じて貰えますか?」と、コールが問い掛ける。
「う……でも…」
「どないしたんや?」
「メリル、黄色の花が苦手なんですって。」
「あん〜な小さいもんでもダメなんか?!」
「一刻を争う時なのですよ、メリルさん。」
「………」



メリルは沈黙した侭だった。コールが溜息を吐く。

「…フゥ。仕方がありませんね。」
「出来ない事も無いんです…でも、煎じるには
 一旦、森へ行かなきゃ、出来ないんです…」
「ここから森へ…ですか。時間が掛りますね」
「…師範なら何か知ってる事があるかもしれない」

 …その可能性はアリマス…

久し振りに口を開いた凛耶、カイがそう告げる。


「師範の所へ向かいましょうか。」
「ちょ、ちょっと待って下さい!あの、その薬草の
 葉の部分だけ、貰いたいんですけど…わたしだけ
 森に帰って、調べてみたいんです。薬草を。」
「そうですね…それではそうして下さい。」


コールは懐に仕舞っていた薬草を取り出し、葉の1枚を
千切ってメリルに手渡した。メリルは葉を小瓶に入れ、
それじゃ、と手短にメリルは其の場を去った。


「早速師範の所へ向かう事にしましょう。」


私達は、師範の元へと急いだ。






2002/10/28(月) 10:08:36 ルナ
タイトル 師範の元へ  

メリルと別れてさっそく師範の所に向かうことにした。
ホタルの古井戸の事はきれいさっぱり忘れる事にした。
私のせいって事は認めるわ!でも・・・・まさか
あれぐらいの衝撃で壊れるとは夢にも思わなかったんだもん!!

そういえば・・・

「師範の道場ってどこだったっけ・・・?」

ぴたりっ

みんなの動きが急に止まった。
中でも一番、怪訝そうな顔をしていたのは出雲と凛耶だった。
「・・・・お前・・・あそこに何回行ったと思ってるんだ?」
「ふつー忘れへんやろ。」
二人の言葉にルナの怒りのボルテジーはあがっていった。
「な、なんですってーーーむぐっ」
ルナが大声を出したと思ったら、小春がルナの口を手でふさいでいた。
「ルナ、あんたはもうちょっと静かにしなさい。」
これから怒る喧嘩に予想がついたのか・・・小春はルナの口を
ふさいだまま、ルナをずるずる引きずって行った。
「むぐぐぐぐむむーーーー!!!」

ルナが何を言っているのかは当然、誰にも分かるはずもなく
イルフはルナの回りを心配そうに飛び回っていた。



2002/10/29(火) 12:10:58 榊 凛耶
タイトル あほか。  



 何とか色々あったものの、取り敢えず薬草も手に入り、無事脱出できた。

 メリルが黄色の薬草を煎ずることが出来ない為、やはり此処は頼れるのは師範だと思った。
 いつも師範にはお世話になってる。…いつか何か礼をしなくては、と思いながら船を降りた。

 …降りて直ぐ、先ず最初にルナが物凄い勢いで走っていく。
 まあルナの気持ちも判らなくは無いけど。
 皆其の後を負う様に小走りで行くと、少し行った先にルナは立ち止まっていた。

「どうしたの?」

 小春が声を掛けると、ルナがこっちを向く。

「師範の道場ってどこだったっけ・・・?」

 …走ってきていた他の奴等も、ぴたっと止まる。
 …呆れた。

「・・・・お前・・・あそこに何回行ったと思ってるんだ?」

「ふつー忘れへんやろ。」

 俺の言葉に続けて出雲が言うと、ルナはわなわなと拳を震わせる。

「な、なんですってーーーむぐっ」

「ルナ、あんたはもうちょっと静かにしなさい。」

 小春がルナの口を塞ぎ、冷たく言い放つと師範の家へと向かって歩き出す。
 勿論、先頭を切るのはこの御方。

「皆さーん?早く行きますよー」







 コールが先ず先に道場へと入る。
 続いて、俺が。

 入ると道場の奥の方に、談話室が見える。
 其の談話室には、ここの生徒と、サンが居た。

「サン」

「あ、お帰りなさい!」

 サンはいつもの笑顔でこっちへと寄って来た。
 …でも、珍しいな。
 サンが談話室に居るなんて。

 サンは大体師範に用事を言い渡されている。
 それはやはり此処の一人娘であるからだろうし、何かとよく働いてくれるのだ。

「ねえねえ、サン。師範居る〜?」

 俺とコールの間を割って出てきたのは、ルナだった。
 サンは不思議そうな顔をして、

「父さんですか?」

 そう聞き返してきた。

「父さんなら…隣の国の城までちょっと呼ばれて、さっき出て行きましたが…」

 …隣の、

「国ィ!?」

 ……俺の言いたい言葉を、ルナが言う。




2002/10/29(火) 12:18:58 榊 凛耶
タイトル サン  



 取り敢えず俺らは談話室に集まり、サンの話を聞いた。

 サンによると、師範はこの道場の事で隣の国に呼ばれていたらしい。
 …俺たちは知らなかったが、師範は結構な有名人らしく、この武道界では人目置かれる存在だそうだ。
 時々、大陸を渡り、他の人たちに武道を教えたりも行っている事を、聞いた。

「…じゃあ、困るんじゃない?」

 小春が深刻そうに、呟く。

 確かに困るな。
 師範が居ないとメリルも煎じる事は出来ないんだし。

「あの…どうかしたんですか?」

 サンには何も教えていない所為か、全くわかってはいない。

「あぁ、実は薬草を煎じる事が出来る人がいなくて…師範さんなら何とかできると思ったのですが…」

「一刻も早くしなくちゃならないしな」

 そうだ。早くしなくては水の精霊が…。
 ギリ…と唇を噛み、悔しそうにする。

 するとサンがふと呟いた。

「それなら…私、出来るかも知れません。昔父さんが薬草を煎じているのを見ていましたので…」



2002/11/02(土) 21:50:00 三嶋 出雲
タイトル サンと未凪のちょっと不安な決意  

「みていたって…それで大丈夫なの?」
ルナが不安そうに周りの反応を見る。
コールはため息を付く。

「とりあえずは時間がありません。サンさんに手伝っていただきましょう。お願いできますか?」

コールがそう言うとサンは「はい!」っと気合の入った声で言った。


港につくととりあえずどうするか考えた。
前回は水の精霊が直々に来てくれたものの今回はそれが無い為先に進めない。

「さてアンや他の精霊に呼びに行ってもらうとして時間がかかりますね」
…船グライナラアタシハ動カセルケド…

流石に水に穴をあけるほど風は器用ではなかった。
たとえ開いたとしても一瞬だし港に被害がでる可能性がある。
途方にくれた頃、未凪が決意した表情で声をあげる。

「あの場所の真上にさえ行ってくだされば私が道を開きます」

いつもの彼女にない気迫が漂っていた。
コールは少し考えてから「じゃぁじっとしてるのもなんですし行きますか」っと
一行を乗ってきた小船へと促した。

「ほんまに大丈夫なんか?」

少し厳しい表情の未凪に話し掛けると彼女は手をパタパタ振りながら
「失敗するかもですけど、やってみます!」
っとどこか頼りない返事をした。皆その答えに一抹の不安を覚えたが
そんな事をしているうちに例の場所上空についた。
「おねがいしますよ」
コールがそう言うと未帆はすくっと立ち上がり手にした弓を水面に向けて構える。
その矢の先端から青い光が出る。
未凪は目を瞑り何か口で唱えるかのように言うとそのまま弦を離した。

放たれた弓は水面に直撃して大きな光を放ち、光が収まる頃には大きな穴が開いていた。
その周りを螺旋階段のように下へと水が流れている。

「余り長く持たないかもしれないですから。早く出してください!」

彼女はそう言って座るとソフィが帆に風を送り入り口へと送る。




2002/11/02(土) 21:51:21 三嶋 出雲
タイトル ジェットコースター?  

「貴方、いつのまに?」
小春が不思議そうに未凪を見る。
「水の…ウィリルさんが教えてくれました。
 私、水の加護があるって、だからもし戻ってくる時はって…」
未凪は照れくさそうにそういうと。俺ははぁっとため息をついた。
「なんや、それやったらはよ言やえぇのに」
「…自信、無かったんです」
少し顔を俯けて未凪が言う。
俺はその意味を聞こうとしたが、横から今までの仕返しと言わんばかりにルナが呟くように言った。
「これで役立たずはどっかのだけよね」
あからさまに俺の事を言ってると思った俺が言い返そうとした瞬間。
コールがタイミングよく口を出す。
「さて入り口に着きましたので皆さんちゃんと船に捕まってくださいね。
 振り落とされても知りませんし。喋って舌噛み切っても面倒見切れませんからね」
そう笑顔で言うコールを見た後、未凪の作った渦を見る。

でかい…し、底がみえねぇ…

「なんか前代未聞のジェットコースターみたいなもんだな…」

凛耶の上擦った声が聞こえた。







PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル