ホープリル。水の精霊。
2002/03/15(金) 09:36:48 ルナ
タイトル 名前
『…多分…人間かと思います…。』
コールの質問に水の精霊は悲しそうに言った。
そして、話をそらすかのように
『いい忘れていましたが私の名前はウィリル・レインです。
よろしくお願いします。』っと言った。
私といえば・・・・
「ちょっと!あんまりくっつかないでよ!」
「なんやと!それはこっちのセリフや!」
いつものように出雲と喧嘩をしていた。
2002/03/16(土) 10:56:45 立木 小春
タイトル 海底門
騒動原因の海獣は、水の精霊だった。
水の精霊は、海獣の姿を借りて居るらしい。
カナリのデカさに驚いて居たけど、其の表情はとても朗らかで
何処か寂し気な様子だった。姿を現した原因は、仲間が捕まった、との事。
其の仲間を捉えたのは人間らしい。
よく捕まえようなんて考えたモノだわ・・・
と、半分呆れ返る。
気付いたら一同は、海獣の背中、深海の奥底に居た。
周りを見渡すと、太陽の光は小さく真上で点を打ち、光り輝いていた。
海の中で見る太陽は、イツにも益して煌びやかだった。
海の中には居るものの、普通に空気は出来ているし、水圧も無い。
そう、ここは何でもアリね、と 自分に言い聞かせる様に、又 開き直るかのように
正面を向く。
もう既に慣れてしまっていたのか、前の二人の喧嘩に漸く今 気付かされた。
「ちょっと!あんまりくっつかないでよ!」
「なんやと!それはこっちのセリフや!」
・・・・聞き慣れた、何時もの二人の喧嘩は変わらない・・・
目線を外した其の先には、海の底、海底。
見える白い点はまるで、地上の太陽だ。
目を凝らし、近付くにつれ、徐々に姿を現したのは
通常の物の何千倍はあるだろうと思える程の、大きな真珠玉…の様な物。
「あれ、何かしら?」 一言漏らすと、横に居たソフィが応えた。
・・・アレは水ノ精霊ノ住処…って云うか"場所"ネ
地上ノ殆どノ水ノ精霊達があの"場所"に集うワ…アタシはよく知らないけど・・・
そう話しているうちに、辿り着いたのは、高く聳える海底門。
其の先に見えるのが、巨大な真珠玉…の様な物。
一同は、海獣こと水の精霊の背中から飛び降りた。
門の先に見えるのは、水族館で見たような、硝子トンネル。しかも巨大だ。
すると途端に、海獣は姿を消し、水の精霊へと姿を変化させた。
・・・さぁ、ドウゾ・・・
水の精霊は、私達を招き入れた。
2002/03/18(月) 08:07:33 榊 凛耶
タイトル ふぅ。
てゆーか、水の精霊ねぇ…。
俺らは水の精霊のあとを続き、硝子のトンネルを抜けると眼の前には酷く大きなホールらしきものが現れた。
「…どうしたんや…こいつら…」
「酷い…」
さっきからずっと喧嘩していた出雲とピンク…じゃなくて、ルナ。
その2人も思わず喧嘩を止めてあまりにも酷い光景の方に視線を向けて呟く。
・・・皆、衰弱シキッテル・・・
カイの言葉。
…目の前に現れた光景――何十、と言うものの精霊…多分皆水の精霊なのだろう。
…彼方此方で、倒れて、苦しそうにしているのだ…。
・・・原因不明の病気に侵されているのです…病気に侵されていない者は私だけで地上に助けを求めに行ったのです・・・
原因不明の、病気ぃ?
…処で同じ精霊ってこんなに集まることできるんだな…なんて変な感心をしてしまう。
「ちょっと退けて下さいっ!」
後ろの方から歩いて来たメリルはこの惨事に気付くと慌ててホールに走りこんでくる。
すると一番近くにいた精霊の身体を起こしている。
症状を見ているようだ。
そうして次々とメリルは精霊たちを診て行く。
「…これは……」
それだけの言葉を小さく発するととぼとぼとこっちに向かって歩いて来る。
・・・メリル、どうしたの?・・・
心配そうに見守っていたメリルの精霊…名前は忘れたが…はメリルに声を掛けた。
「…私の住んでいる村で少し前に有った…病気とそっくりなんです…」
「病気?」
小春が確認するように質問をする。
「…伝染病、です。何らかの原因で衰弱していき…『死』に至ると言う病です」
伝染病、か。
・・・解決方法は無いのでしょうか?…お願いです、私の仲間を助けてくれないでしょうか・・・
確か師範の村でも伝染病が他の村で流行ってるみたいなこと言ってたな…。
…薬はあるって…師範が言ってたっけ。
「解決方法、有るぞ、多分…」
それを呟くと皆が一斉に俺のほうを向いた…。
2002/03/18(月) 09:33:06 ルナ
タイトル 仲間
「酷い…」
出雲との喧嘩も忘れてあまりにもひどい光景に私の口から言葉が出た。
メリルが言うには何かの伝染病らしい。
こんなの・・・直せるのかな?
「解決方法、有るぞ、多分…」
凛耶の言葉に私もふくめてみんなが凛耶の方を向いた。
・・・本当ですか?・・・
「あぁ。師範がその伝染病の薬を持ってるはずだ。」
凛耶の言葉にウィリルはほっとしたような顔をした。
私もウィリルと同じくほっとした。
仲間が死ぬのを前にして助けられないのがどんなにつらいか・・・。
私はその気持ち、よく分かる。
水の精霊の棲家で在るこの場所に集う精霊達は皆、衰弱し切っていた。
伝染病に冒されているらしい。
"…こんなんじゃ、アタシノ力でも如何にも為らないワ…"
ソフィが一言漏らした。
「あぁ。師範がその伝染病の薬を持ってるはずだ。」
不意に凛耶がそう、告げる。
すると事も無げに、コールが言葉を続けた。
「だったらこうしましょう。凛耶とルナ、貴方方は二人で師範さんの元に向かって
薬を取りに行って下さい。そう言うわけでウィリルさん、彼等をもう一度
町に戻して下さい。」
そう云うと、ウィリルは再び海獣へと姿を変え、二人を地上へと送って行った。
「残った人はココにいる精霊を全てここの広場に集めますよ。
凛耶達が帰ってきたらすぐに治療を施せるように準備をしておきましょう。」
コールが振り返り、そう云った。何時もと同じ、冷静な判断だ。
ふと 水の精霊達を見渡す。
見るからに衰弱し切っている精霊 見ているだけで悲痛な声が聞えてきそうだった。
一人、また一人と、奥の様子を見に駆け上がり、
一人、また一人 其処らでぐったりして居る精霊を起こし、抱き抱える。
そっと近付き、抱き抱えると、半分目を見開いた精霊が漏らす。
・・・・・助ケテ・・・・
悲痛な叫びの様だった。
そう、精霊達は小さく悲痛な声を、今でも、叫び続けているのだ。
此処に居る精霊達全員、だ。
"助けなければ為らない" そう思った。
2002/03/22(金) 16:39:29 三嶋 出雲
タイトル でわ…
「あぁ。師範がその伝染病の薬を持ってるはずだ。」
凛耶がそう言うとコールは考えがまとまったのかふむっとうなづく。
「だったらこうしましょう。凛耶とルナ、貴方方は二人で師範さんの元に向かって
薬を取りに行って下さい。そう言うわけでウィリルさん、彼等をもう一度
町に戻して下さい。」
…わかりました。…
ウィリルはそう言ってうなずき、また海獣へと姿を変え凛耶とルナに背中に乗るように促す。
2人が地上に向かっていくのを確認した後コールは残った人の方に向き直る。
「残った人はココにいる精霊を全てここの広場に集めますよ。
凛耶達が帰ってきたらすぐに治療を施せるように準備をしておきましょう。」
2002/03/23(土) 00:54:34 立木 小春
タイトル 病
水の精霊の棲家で在るこの場所に集う精霊達は皆、衰弱し切っていた。
伝染病に冒されているらしい。
"…こんなんじゃ、アタシノ力でも如何にも為らないワ…"
ソフィが一言漏らした。
「あぁ。師範がその伝染病の薬を持ってるはずだ。」
不意に凛耶がそう、告げる。
すると事も無げに、コールが言葉を続けた。
「だったらこうしましょう。凛耶とルナ、貴方方は二人で師範さんの元に向かって
薬を取りに行って下さい。そう言うわけでウィリルさん、彼等をもう一度
町に戻して下さい。」
そう云うと、ウィリルは再び海獣へと姿を変え、二人を地上へと送って行った。
「残った人はココにいる精霊を全てここの広場に集めますよ。
凛耶達が帰ってきたらすぐに治療を施せるように準備をしておきましょう。」
コールが振り返り、そう云った。何時もと同じ、冷静な判断だ。
ふと 水の精霊達を見渡す。
見るからに衰弱し切っている精霊 見ているだけで悲痛な声が聞えてきそうだった。
一人、また一人と、奥の様子を見に駆け上がり、
一人、また一人 其処らでぐったりして居る精霊を起こし、抱き抱える。
そっと近付き、抱き抱えると、半分目を見開いた精霊が漏らす。
・・・・・助ケテ・・・・
悲痛な叫びの様だった。
そう、精霊達は小さく悲痛な声を、今でも、叫び続けているのだ。
此処に居る精霊達全員、だ。
"助けなければ為らない" そう思った。
2002/03/23(土) 00:55:55 立木 小春
タイトル 時
入り口付近の広場に、衰弱した精霊達が集結する。
調度其の頃、海底門を潜り抜けて来る精霊の姿が一つ。
光の精霊だった。
「あれ?凛耶はどないしたんや?」
…凛耶はまだ町に居ます・・・それより、薬が・・・…
「薬がどうかしましたか?」 コールが聞き返す。
…あ、師範が言った言葉、そのまま伝えます…
すると光の精霊は、師範へと姿を変化させた。
師範は厳しい表情を浮かべる。
「・・・薬は・・・もう此処には残っていない・・・
海を渡らない限り、伝染病に効く薬は今手に入らないのだ
残念ながら、な・・・すまない・・・・」
眉間に皺を寄せながら、師範は話を続ける。
「余り海を渡る事を勧めたくないのだが・・・一刻を争う時だ。そうは云ってられない・・・
薬は海の向こうの小さな村で手に入る。古井戸の底に有るのだが・・・
其処にモンスターが眠っている。相手は手厳しいぞ・・・・君達の健闘を祈る。
ルナ、凛耶、指導した通りに遣るんだ、いいな・・・」
言い終ると、師範の姿から又、光の精霊へと変化した。
…此れだけです…
そして沈黙が流れた。
戸惑う者も居れば、考え込む者で、其々だ。
コールが突然、声を上げた。
「兎に角時間が有りません、その大陸に渡りましょう。
水の精霊さん達には…此処で待って頂くしか無い様ですが、仕方有りませんね。」
「そ、そうやなぁ、そうそう、大陸ね・・・」
出雲君は、やたらソワソワしながらそう云った。
「皆さん、一刻を争う時です。急ぎましょう!」
コールの言葉に皆が一斉に頷くと、光の精霊に導かれ、海底門を抜けた。
待ち構えていた海獣こと水の精霊の背中に乗り、一同は凛耶とルナの待つ
地上へと急いだ。